沖縄県工業技術センター
所 在 地:具志川市
建 築 主:沖縄県
主要用途:研究施設
構造規模:RC造 地上3 階
延床面積:14,463㎡
竣 工:1998 年3 月
「沖縄県頭脳立地計画」に基づき、地域産業の技術振興を支援強化する施設として位置づけられる。
中城湾新港地域内の中核となる「開かれた研究施設」として「テクノシップ」をキーワードに設計が進められた。
施設構成は交流棟、研究棟、実験棟の分棟配置である。
格子梁によるピロティーや陰影のあるファサード等、奥行きのある形態が特徴である。
地場材料である赤瓦・琉球石灰岩と沖縄の土を混入した外壁磁器タイルにより、塩害の厳しい環境から建物を保護する。
大きく張出した赤瓦屋根、日陰と通風をもたらすパティオは、沖縄の気候に配慮した快適な場所をもたらす。
沖縄水産高校
所 在 地:糸満市
建 築 主:沖縄県
主要用途:高等学校
構造規模:RC造 地上4 階
延床面積:17,666㎡
竣 工:2003 年9 月
沖縄県水産高校設立100周年に合わせて、旧校舎の全面改築が行われた。
中庭を隔てて一般教室棟と産振棟に区分された校舎は、総合学科制という「新しい教育システムへの対応」、「沖縄の気候風土に調和した施設」、
教育改革によるグローバルな「施設イメージの提案」、学校開放に適応した「生涯学習の拠点施設」をめざした施設である。
共有空間のゆとりある構成は、生徒一人一人の個性を尊重したカリキュラムに対応し、明快なゾーニングは、
総合学科制校舎の機能性を重視したものである。また、バルコニー面に設置されたFRPルーバーは、強い陽射しを制御しつつも通風と心地よい明るさをもたらす。
那覇市上下水道庁舎
所 在 地:那覇市
建 築 主:那覇市上下水道局
主要用途:事務所(庁舎)、銀行、飲食店及び集会所
構造規模:RC 造 地上4 階(免震構造)
延床面積:6,521㎡
竣 工:1998 年3 月
1987 年那覇市の中心地にあった米軍接収地が全面返還され「那覇新都心開発整備事業」が始まった。
建設地はその区画整理された南西エリアに位置し「慶良間チージ」と呼ばれた景勝地であり、「シュガーローフ」と呼ばれた沖縄戦の激戦地区に位置し、少なからず配置計画や建物高さへ影響している。
「水と地域のコミュニケーション」、「瑞泉潤民の企業イメージ」、「沖縄の自然環境への呼応」、「省資源・省エネ」を基本方針として、都市のライフラインを支える施設機能を備え、安心感のある施設づくりをめざす。「大切な水を両手ですくう・瑞泉潤民」をイメージして平面構成を計画し、「水・緑・風」を感じる庁舎として、建物緑化、水施設、遮光ルーバーなどを設置している。
那覇偕生園
所 在 地:那覇市
建 築 主:社会福祉法人 沖縄偕生会
主要用途:老人福祉施設
構造規模:RC造 地上6 階
延床面積:6,093㎡
竣 工:2011 年11 月
那覇市首里の眺望の良い高台に建つ特別養護老人ホームである。10室1ユニット型の1フロアにつき2ユニットの全室個室タイプで100室を保有する。
レクリエーションホール、調理場、水周り、スタッフルーム、事務室を各ユニットに設置し、1家族=1ユニットという考え方で整備されている。また、1階にはデイサービススペースがあり、日々の利用や様々な節目のイベントに対応可能なようになっている。
各フロア中心部には縦動線と屋外吹抜部があり、施設の機能性向上と採光、通風の確保に役立っている他、建物外周部には幅の広い避難用バルコニーを設け、高齢者の非常時対応に配慮すると同時に沖縄の強い陽射しを遮る装置となっている。
豊見城市立長嶺中学校
所 在 地:豊見城市
建 築 主:豊見城市
主要用途:中学校
構造規模:RC造 地上4階
延床面積:7,787㎡
竣 工:2011 年3 月
老朽化した校舎・屋内運動場・武道場・クラブハウスをグラウンド側に全面改築を行った。
学校教育環境に求められていた「新しい教育システム」、「特色ある学校づくり」、「生涯学習施設」への対応が施設整備の目的である。建設地は東西南北に起伏があり、かなりの高低差がある。特に前面道路が急勾配のため、ゆとりあるアプローチ空間の確保が重要であった。校舎は普通教室棟と
特別教室管理棟の2棟構成と中庭を介して明確にし、渡り廊下で屋内運動場、武道場へと繋がる。
校舎・屋内運動場をコンパクトにすることでゆとりある屋外スペースを確保し、数十年の課題を克服することができた。
シンバネットワーク
所 在 地:浦添市
建 築 主:(株)シンバホールディングス
主要用途:オフィスビル
構造規模:RC造 地上4 階 地下1階
延床面積:4,125㎡
竣 工:2005 年9 月
国立組踊劇場近くに建つ、若手起業家率いるグループ企業本社ビルである。
十数社の役員ほとんどが30・40代という新進気鋭の社風でありながら、創業40年の中核企業の
風格を保つことが求められた。「斬新でありながら、違和感のない存在感」信羽(シンバ)の
企業スローガン「信じ羽ばたき、空へ」に対し、ファサード構成する横ルーバーを遮光としての機能を
持たせながらも、幾にも重なるウィングとして表現した。成長企業の躍進と共に、あたかも空中へ羽ばたく
イメージを与えたい。
与那原中学校
所 在 地:与那原町
建 築 主:与那原町
主要用途:中学校
構造規模:RC造 地上3 階
延床面積:5,954㎡
竣 工:2009 年8 月
那覇市北東部にある与那原町の海岸に面した場所にある中学校である。普通教室棟と特別教室棟・管理棟の 2等構成として、機能性を明確にしている。子供達が主体となって自らの個性や興味を引き出す、新しい 教育システムへの対応として「ゆとりの魅力」「潤いと豊かさ」をテーマとした。また特色ある学校つくりと して地場材料の利用や「居心地の良い場所」「象徴的な空間」といった建築的な装置を組込んだ空間構成と することで、自分たちの学校としての「思い入れ」を感じてくれるように配慮した。一方、社会の開かれた教育 施設として、地域開放のためのゾーニング計画・動線計画・バリアフリー計画となるよう心掛けた。
沖縄土地開発公社
所 在 地:那覇市
建 築 主:沖縄県土地開発公社
主要用途:オフィスビル
構造規模:RC造 一部S造 地上6 階
延床面積:3,430㎡
竣 工:2014 年4 月
那覇市内西部の国場川・奥武山公園が望める環境の良い場所に建つオフィスである。 全面道路沿いに沖縄都市モノレール「ゆいレール」が地上10mを通過していくため、 執務室との視線の交錯を意識すると共に、西からの強い陽射し対策を同時に解決する必要があった。 太陽光の入射方位と入射高度を東西南・春夏秋冬で検討し、コア時間帯の室内への入射を遮断し 、室内熱負荷を軽減するよう縦横ルーバーを開口部前面に設置している。 1階は総合案内と駐車場、2〜4階に執務スペース、5階に大会議室・福利厚生室、屋上には休憩所と 太陽光パネルを設置している。
グループホームいえしま
所 在 地:伊江村
建 築 主:社会福祉法人麗峰会
主要用途:寄宿舎(認知症高齢者グループホーム)
構造規模:RC造 地上1階
延床面積:394m²
竣 工:2011 年 6 月
沖縄本島北部の本部港からフェリーで30分の離島・伊江島に建つ認知症高齢者グループホームである。
1ユニット10室のタイプで建物中央に天井の高い食堂兼リビングを設置している。
家庭的な雰囲気ですごしてもらう事を主旨に、「一つ屋根のしたの家族」をイメージし赤瓦大屋根の中に
全ての機能を収めたホームとした。軒をできるだけ低く抑えることでヒューマンなスケール感をだし、
緑多い背景の中にある古い民家のような馴染んだ風景をつくるよう心掛けた。
デューキッズ インターナショナルアカデミー
所 在 地:那覇市
建 築 主:アイラーニング社
主要用途:学習塾
構造規模:RC造 地上5階
延床面積:419㎡
竣 工:2005 年12月
2歳〜5歳の幼児を対象にグローバルな人材育成を目指す「バイリンガルキッズ育成プログラム」を展開する企業の学習ルームである。
ファサードは「人財の登竜門」として門構を特徴とする。2階から5階の学習ルームは階ごとにあざやかなコンセプトカラーを設定し、弱視の多い幼児期への配慮をしている。
屋上庭園は砂遊び、軽運動の場として、かつ、壁面緑化、屋上緑化として環境への配慮を施している。
http://www.i-learningnet.co.jp/
(カラーコーディネイト:(株)フラッグス 代表 山内暢子)