創立40周年挨拶
公共機関・民間企業等多くのクライアントの皆様に支えられて、創立40周年を迎えることができました。ご挨拶の冒頭に深く感謝の意を表します。永年に渡りご信用並びにご支援を賜りありがとうございます。
弊社は1975年(S50)7月に現会長であり、父である當間元信により創設されました。父の背中を見ていたことも多少ならず影響していたと思いますが、私も建築設計の道を歩むことになります。何となく設計に興味があった程度でしたが、この世界で生きていこうと決めたのは大学1年の末のことで、すばらしく熱い恩師にめぐり合えた事がきっかけでした。人は人によって大きく心動かされることがあるのだと思う瞬間でした。それ以降、建築設計という天職を与えられ、今日まで関連する様々な分野で精進してきたつもりであります。
創立19年目となる1994年(H6)31歳の時に、前川國男建築設計事務所を退所し弊社に入所しました。前川時代は図書館や美術館など大型の公共施設に携わる機会が多かったため、当時弊社の主流であった戸建住宅や共同住宅に戸惑いながら、またCADというものも初めて操作しながら困惑した毎日でした。ところが1996年(H8)に大型研究施設である沖縄県工業技術センター(14,000㎡)を手掛けることとなり、弊社にとっても個人的にも大きな転機となる機会を得ました。緊張と期待の中で着手した設計でしたが、32歳という若い設計者に数十億の公共施設を任せていいのかという発注者の疑義に対し、設計の提案力や密度、プレゼンテーション力で示すほかないと覚悟し、日々スタッフと取組んだことを今でも覚えています。また、同時期に沖縄国際大学新図書館を日本設計とのJVでコンペ当選し、大手設計事務所との共同作業を重ねて経験できたことは、スタッフの設計力向上と自信に繋げることができました。その後の那覇市立さつき小学校・幼稚園、沖縄水産高校、インテリジェントビル等の大型施設では、更にデザイン性や機能性を高めることができましたし、組織力をもって取組むことができました。
最近10年でノウハウの蓄積ができてきたのは分譲マンションです。沖縄型居住タイプといってもいいと思いますが、本土のマンションとは異なる住まい方、考え方があり購買力にかなりの差が出てしまいます。また、共同住宅のPCa化工法の開発を関連メーカー数社を交え取組んでいるところです。
大規模施設の設計監理に携わるためにスタッフが倍となり、大手設計事務所JVとして実績を積むことにより、設計能力や提案力の質も徐々に向上してきているように感じます。
現在、JIA沖縄支部との共同事業で県内企業のベトナム・ハノイ工場改築計画を進めています。この計画は「沖縄県建設産業グローバル推進事業」の支援を受け、先駆けて海外での受注体制を構築したいと考えています。将来は沖縄の地理的優位性や先端技術を武器にベトナムやタイの建築家協会と連携し、活動の一部を東南アジアに移しグローバル企業をめざしていきます。
営業力の強化も中期目標の一つです。営業スタッフの増員、有力企業への働き掛け、企業人脈の拡大など、設計体制と共に組織力の強化を計っていきます。
次の10年に向けて、スタッフの育成と増強、他社との連携、営業力の強化、グローバル化などにより、十分な組織体制を背景とした設計事務所としての本流を築いていきたいと考えています。また、企業が強くなる事と社会に貢献する事はイコールであるとの考えの下業界だけではなく、社会に貢献できる企業にしていきたいと思います。個人的にもこれまで以上に沖縄のために貢献できればという思いです。
最後になりますが、建築確認や開発行為許可など行政許可申請において多くの行政機関、審査機関の皆様にも大変お世話になりました。40周年にあたり深く感謝を申し上げます。また、多くの優秀なスタッフに恵まれ、社会的な評価を得られてきたことに対し、弊社に貢献頂いた現所員、歴代所員の皆様、更に弊社を縁の下から支えていただいた構造設計・設備設計を初めとする協力事務所の皆様にも改めて感謝の意を表します。