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古き良き郷愁にかられるベトナム2010 建もの旅日記(建築新聞)

年前にJIA視察旅行で行ったベトナムのことを書く。視察担当者であったこと、今回のリレーでどなたも触れなかったこと、何よりベトナムの人々、文化、風俗、料理の印象が良かったからだ。

中国に1000年間、フランスに80年間支配され、1975年、30年に及ぶベトナム戦争を経て独立。現在は市場経済の導入により、近代化されつつある街並みが急激な経済の発展を物語っている。首都ハノイの郊外は、農業国らしく田園風景が地平線まで広がるが、一端市内に入ると人・車・バイクの大洪水で暗黙の交通ルールがあるらしい。市内中心部を流れるフォン川(紅河)を核に、いたるところに湖・沼が点在し憩いの場となっている。人々も信仰心深い仏教徒で、数多い寺院を廻っていると、祈りを捧げる現地ガイドを観光客が待つ風景が多くみられた。

中国の影響と首里城を彷彿

建物は殆どが低層で原色に近い鮮やかな色どりの街並みである。RCラーメン構造に、外壁を通気口のあるレンガを積みモルタルで仕上げたものだが、地震がないということで柱・梁もかなりきゃしゃだ。

古都フエはベトナム最後の王朝グエン朝が栄えた都市。碁盤状の都市計画、紫禁城を模した宮殿、人工のハス池や釣殿など中国の影響を大きく受けた都である。首里城歓会門や円鑑池・弁財天堂及び天女橋を思わせる。

 東西交易の中継地として栄えたホイアンは、400年前、1000人以上の日本人が住み日本人街があった。古い街並みをそのまま残し、リニューアルしながら使い続ける店先には、現在でも生き続けているエネルギーを感じた。
信心深い人々、貧しくも皆で寄り添った生活、アオザイの女子高生、何年もの戦争を経験したと思えないほどやさしさと素朴さを感じた。何よりフォンに代表される地元料理が口に合い、ここなら住めると思うほどであった

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